
☆3つの理由
「飽食」という言葉が最近聞かなくなったように感じますが、
この本が出版されたのは、まさに「飽食」が悪となっていたそんな時期です。
アジアから入り、ヨーロッパ、アフリカ、ロシア、東アジアと各国を見て周り、
その地域の食と、食にまつわるエピソードを交えた本のつくりは
読者を飽きさせることがありません。どの話も衝撃的かつ心の深奥に響くものがありました。
ドキュメンタリーのレポのような形式であり、生々しい雰囲気が醸しだされています。
旧日本兵の食人の話やロシア軍の兵隊内でのいじめ、アフリカのある国のエイズの実態は
身につまされる話ばかりでした。
しかしこの本のレビューには☆3つにしました。
それは著者のスタンスに賛同できかねる部分が多数あったからです。
バブルがはじけて少し経っている時期ですが、まだその余韻があることがよくわかります。
日本人の立場を最大限に利用して、時にはおこがましい記述がみられます。
「郷に入れば郷に従え」的なリポートではなく、あくまでも日本人としての立場であり、
「郷に入るが郷に従わない」立ち位置のように思えてならなかったのです。
著書が少し歳をいっているからなのか、それとも当時の日本的考え方なのか、
何か他人行儀で最初から考えが固まっている中での作品、という印象が拭いきれませんでした。
他のレビュアーさんが書かれている通り、内容は大変素晴らしいと思います。
ただ、これを今見て何を思...