
闘う/悩めるアンティークコレクター!!!
時は安土桃山時代。天下取りに邁進する織田信長、その忠実なる
配下古田左介は武士とはまた別の顔を持っていた。三度の飯より
も、骨董品に目がないのである。その骨董品への愛着により出世
が遅れているというほどの左介であったが、ある日信長から重大な
命を預かる。それは、彼を裏切り毛利方に寝返った松永久秀に、
交渉を持ちかけというもの。しかしその取引とは、松永の所有する
名器の茶釜「平グモ」と引き替えに許してやろう、というものだった。
アンティークに目がなかった左介であったが…。
このマンガは史実を元にした「歴史物」でありながら、剣豪が「天下
無双」を目指して全国津々浦々を旅する例のアレや、はたまた巨人
のような巨躯で戦地を駆け巡るカブキ者が主人公の例の北斗真拳な
アレのような、戦の成長譚ではない。戦ももちろん出てくるが、それよ
りも主題とされるのは、今にも続くあの「コレクター魂」である。
本作主人公は自他共に認める「数寄者」だ。だが、数寄者=好き者
と呼ばれるからには、だれもがよいと思えるものなぞでなく、他人か
らすれば「なんであれに」と呆れられるほものに入れ込まなければな
ければいけない。これは他者に理解されない、そんなコレクター魂を
抱えた好き者の物語だ。“物”のためなら謀反者をも逃してしまう、そ
んな自分に恥じ入りながらも、どうしてもやめられない。そんな簡単に
やめれたら、そもそも...